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TOTOの座れるシステムキッチンの市場調査(51号)

ユニバーサルデザインのキッチンの事例

2006年7月9日の朝日新聞(be)からの抜粋です。

記事抜粋:

「台所は立ち仕事。そんな常識に挑むシステムキッチンが増えている。
子供から高齢者までだれにでも使いやすい設計をする共用品・ユニバーサルデザインの考え方が、台所でも受け入れられつつあるようだ。

TOTOが04年秋に発売した「座ってラクラクプラン」は座ったままで材料の下ごしらえや洗い物などができる。
売れ筋の価格帯は120万円台。
発売初年度は当初目標の1.5倍の約900台が売れ、累計で3千台が売れた。

トイレ最大手の同社だがシステムキッチンの市場占有率は4~5%程度。
開発リーダーの大野さんは「トイレなどで培ったユニバーサルデザインは、キッチンでもセールスポイントになると思った」と振り返る。

開発中に実施したアンケートでも、台所でつらいことの筆頭は「立ち作業」(33%)。
販売数が限られる「福祉機器」とは違う大市場があるとみて、商品化を急いだ。 

最大手のタカラスタンダードも今年春、ひざ下にスペースを設けて座れるようにしたタイプを発売した。

2~3年前までは、座れることを「売り」にしたシステムキッチンは、車椅子利用者らに向けた福祉用か一部高額のオーダー商品だった。TOTOは「座る便利さが認知され、キッチンの2割は座れるタイプになると思う」と期待している。」

●もうひとつシステムキッチンに関する別の記事から(05年7月29日 日経)。

「TOTOは、通常、台所での作業は立って行うが、下ごしらえなどはダイニングテーブルで作業する人が多いことに着目した。同社のアンケートでも座って作業をしたいという人が全体の半数に達した。」
  

—記事抜粋はここまで—


バリアフリーは「障害者や高齢者など特定の人に対する、特別な対策」でしたが、ユニバーサルデザインは「誰にでも使いやすいデザイン」を意味します。

「立ってするのが当たり前」と思われていた台所仕事も、現状を把握するアンケートをしてみると、

・台所でつらいことの筆頭は「立ち作業」(33%)

・座ってできる仕事はダイニングテーブルに座って作業する

といったことがわかります。また別方向(ユニバーサルデザイン)の観点からも考え合わせて「座れるシステムキッチン」に発想が帰着したと思われます。

TOTOさんは、自社の強み(トイレなどで培ったユニバーサルデザインの考え方)を活かせる新市場を開拓されたところが素晴らしいです! 

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■ここからは、この事例について「市場調査をしたとしたら・・・」という
  過去にさかのぼった私の妄想の世界です。

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私(TOTOの商品開発担当者)は、「台所仕事でのいろいろな作業について、それぞれの作業のやり方や不満点を探り、新商品開発に活かすため市場調査を実施します。

●調査対象者:

・20代~70代の主婦

●調査方法:

まず年代ごとのグループインタビュー調査を実施し、作業の仕方や不満点の抽出をする。
次にアンケート調査を実施し、グループインタビュー調査で抽出した「商品開発のポイント」についての割合を調査する。

●調査項目:

・台所での作業内容別(下ごしらえ、調理、洗い物、その他(どんな作業か))の、 
作業方法、時間帯、所要時間、頻度、一緒に作業する人・・・といった現状の把握(どんな台所の設備か、またどのような作業方法か、などがわかる写真撮影)

・各作業について工夫していること、満足していること、不満なこと

上記のような調査内容から「座れるシステムキッチン」のコンセプトを発想し、消費者に試用していただき、意見を取り入れながらPDCAを繰り返し、完成させます。

<PDCA = 計画(plan)⇒実行(do)⇒評価(check)⇒改善(action)>

市場調査の実施にご興味がある方は、いちど当社にご相談ください。

《※2006年1月から【まぐまぐ!】で発行しているメールマガジン 【女性視点(?)なマーケティング発想のヒント】 からの転載です。》

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