市場調査の良くないアンケートの例

アンケート調査は、落としどころや、どのように分析するかをあらかじめ想定(設計)してから質問を作成するという順番で進めますが、良くないアンケートを作成している方は、思いついたことをそのまま質問にしていることが多いように見受けられます。
アンケート質問作成での、よくある失敗例は以下のようなものです。
- 聞きたいことだけを聞く質問文にしている
- 仮説を立てずに質問文にしている
- 回答者の属性や行動、思考など、回答者の背景を明確化する質問を入れていない
- 集計分析の分析軸になる質問を入れていない
- 自由回答で回答者に何かすごいアイデアを期待している
- 自由回答の質問がふわっと、ぼんやりしている
- 自社の「本気や熱」を伝えられるような質問文にしていない
上記の詳しい説明は、課題が解決できるアンケート質問作成の3つのポイントのページにもご説明していますのでご覧ください。
見た目にもわかりやすい「良くない例」については、以下に挙げていますのでご参考にしてください。
見た目にもわかりやすい「良くない例」
1.選択肢に番号がふられていない
市場調査は『逆算で考える』とうまくできます。つまり「この課題の解決をどうするか」がゴールにあり、その解決に必要な情報は何かを考え、その情報を二次データか一次データで収集し、解決策を発想するという流れです。
見た目にもわかりやすい「良くない例」で1位に上がるくらいよく目にするのが、選択肢に番号が振られていないものですが、これも逆算で考えておけば起こるはずのない失敗例といえます。

よくあるのが上記のように[アイウエオ]や[ABC]を使っているものです。または□にチェックを入れるものや、選択肢を丸で囲むようなものも同様です。
回収したアンケート用紙を見るだけで、その後分析などしない場合はこれでもよいかもしれませんが、アンケート調査を実施したら通常はエクセルに回答内容を入力して集計し、分析して活用すべきものです。
集計分析することを逆算すれば、カタカナやアルファベットやは、数字をテンキーで入力するのに比べて手間がかかることや、誤入力も発生しやすくなることは想定できますので、選択肢は数字にしておくことが基本です。
2.回答者にアイデアを期待しがち
「何か良いアイデアはありますか」と回答者に何か斬新なアイデアを求めがちですが、この質問の仕方で斬新なアイデアが回答されていることはほぼないものです。
たまたまアイデアマンが回答者にいれば別ですが、一般的な回答者はそのアンケートのために、時間をかけて何かのアイデアをひねり出す義理は全くありませんので、「今すでに世の中にあるものについて」の簡単な回答になりがちだからです。
基本的にはアイデアは回答者に質問するのではなく、調査結果のデータを分析してマーケターが発想すべきものですので、アンケート調査にはその発想の材料になる回答が収集できる質問にすることが重要となります。
または自由回答で何かアイデアを求めたい場合は、回答者に考えていただく範囲を非常に狭めて質問するという方法もあります。
以下の良くない例「3.どうすればもっと売れるでしょう?アイデアがあれば教えてください。」ですと、例えば売れるための施策として「商品パッケージを新しくする」という落としどころにすると想定した場合、「あなたが好きな(印象に残っている)パッケージデザインのお菓子を3つ教えていただけますか」のように、回答しやすい範囲を決めて質問することです。
この例の場合は調査設計の段階で、商品パッケージを新しくするための質問を入れると企画しておきます。

3.質問意図があいまいな質問文や、分析しづらい選択肢になっている

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