デプスインタビュー調査
目次
デプスインタビュー調査は、人の意識を深掘りする調査です
デプスインタビュー調査は調査対象者とインタビュアーが、一対一で行う質的調査方法の一つです。
デプスインタビュー調査の主な目的は、調査対象者の意見、態度、価値観、行動、動機などを深く理解することです。
「なぜそう思うのか、その理由」「どういう行動・評価・判断をしているのか、その理由」など、アンケート調査結果の数値だけではわからない「なぜ」や「どのように」といった意見や行動についての情報を詳しく収集したり、話を掘り下げることで深層心理や感情の分析までできる調査手法です。
人の行動は理屈だけでは説明できません。そこには好き嫌い、見栄、後ろめたさなど様々な感情が入っています。
そういった人の行動原理や感情の動きについての情報収集が必要な場合、アンケート調査だけでは限界があるため、デプスインタビュー調査を併用することが適しています。
デプスインタビュー調査の実施場所は、室内・屋外・調査対象者のお宅・オンラインなど
デプスインタビュー調査の実施場所は落ち着いて話を伺える屋内(インタビュールームや会議室など)や、屋外での行動に関する調査なら屋外で(例えばスポーツに関する調査など)、お宅に訪問して話を聞いた方がよい場合はお宅に訪問など、その調査で収集すべき情報が最上・最適になる場所を設定します。コロナ以降はZoomなどでのオンライン調査が増えています。
お宅訪問で実施するデプスインタビュー調査のメリットは、バスルームやキッチン・トイレといった家の設備の話や、洗濯の仕方など電化製品の使い方、食事の作り方、家での過ごし方といった行動の話など、実際に拝見しながらのほうが間違いがなく具体的な内容が伺える点です。
また設置場所や使用方法などは実際にその場で見ることもでき、写真や動画などで記録すれば後で分析も可能です。
デプスインタビュー調査の調査対象者人数に特別な決まりはなく、その調査目的により5名~30名くらいです。
デプスインタビュー調査は取引先を対象とした調査にも使えます
デプスインタビュー調査は、一般生活者を調査対象とするだけではなく、企業を対象とした調査にも活用できます。
例えば自社の取引先ご担当者への新商品開発調査・顧客満足不満足調査や、取引先ではないターゲットとする業種・業界に勤務する人を対象とした新商品開発調査などにも使えます。
デプスインタビュー調査の有効な使い方とは
デプスインタビュー調査を「マーケティングプロセスの、どの工程で使うのが有効な使い方なのか」については、企画立案業務の「始め」と「真ん中」の工程で多く活用されています。「始め」とは企画立案業務の「発想の起点段階」であり、「真ん中」とは企画立案業務の「アイデアの発想段階」です。
発想の起点段階:糸口をつかむためのアイデアを収集する
「まずどのような市場調査をしたらよいのかわからない」「仮説がはまらない」「ターゲットの解像度を上げたい」といった最初のとっかかりに困っている状況の時に仮説を立てるためのヒントや、プロジェクトの方向性を見い出すヒントをデプスインタビュー調査で情報収集するといった使い方です。
アイデアの発想段階:「何かのアイデアの芽」や「きざし」「概要」を、より具体的にする
アンケート調査の分析結果から気づいた「何かのアイデアの芽」や「きざし」についての生活者の意識を深掘りして、有効なアイデアかどうかの確度を見極めるといった使い方です。
あるいはアンケート調査で収集したざっくりした概要・アウトラインについて、更に詳しく顧客意見、態度、価値観、行動、動機などの生活者意識を深掘りするといった使い方です。
デプスインタビュー調査の使い方の一例(商品開発の場合)

デプスインタビュー調査の「発想の起点段階」での使い方
一般消費者向けの商品開発の例:
市場調査の実施の際には通常は調査目的があり、その調査目的に応じた仮説を立てます。
その場合の市場調査実施の順序としては、「アンケート調査(定量調査)を実施」 ⇒ 「グループインタビュー調査やデプスインタビュー調査(定性調査)を実施」といったケースが多いです。
しかし「調査目的は一応あるけれど、市場状況や顧客意識や顧客の行動実態がよくわからないので、使える仮説が立てづらい」といったケースもあります。
そういった場合は、定量調査の実施前に、ターゲット顧客の意識や行動をざっくりと把握するためのデプスインタビュー調査を実施し、「アイデア出し・仮説出し」をするといった使い方をします(デプスインタビュー調査 ⇒ 定量調査 ⇒ 定性調査という流れです)。
※「アイデア出し・仮説出し」とは、新規事業や新商品などのコンセプトを開発する前段階のプロセスです。(デプスインタビュー調査は1回だけではなく、何度か実施する場合もあります)。
デプスインタビュー調査の「アイデアの発想段階」での使い方
アンケート調査(定量調査)では調査目的に応じて「属性情報、不満点、満足点、課題、ニーズ、既存商品や競合商品評価、コンセプト・デザイン・機能・価格の評価、 きっかけ、購買行動と意思決定要因、購入意向、商品パッケージやネーミングの評価、プロモーションの評価、アフターサポート」などを調査します。
アンケート調査では「〇〇が65%」といった具合に、数値で仮説の検証ができます。またアンケート調査の自由回答記述には「そう思う理由」などを短文ではありますがざっくりとした定性的な情報が収集できます。
デプスインタビュー調査は、このアンケート調査結果を分析して気づいた「何かのアイデアの芽」や「きざし」「概要」を、より具体的に、あるいは仮説を検証するための調査項目を作成します。
ケースにより1度ではなく複数回デプスインタビュー調査を実施して、コンセプトを固めます。モノならば、発売しようとしている商品の試作品を作り、評価をしてもらうデプスインタビュー調査もあります。このとき、ネーミング、販売チャンネルなどマーケティング戦略に必要な情報も調査します。
デプスインタビュー調査を実施しないデメリットの例
意外によくある市場調査の失敗例としてご留意頂きたいのが、ターゲット消費者の現状把握調査を実施せずに、ご自身の頭の中の想像・思い込みだけで仮説を立てて、アンケート調査を実施してしまうというケースです。
このような思い込みで実施したアンケート調査結果をうのみにして商品開発やプロモーションを進めてしまうと、「発売したが全く売れない」という惨事がのちに起こりますので、思い込みではなく顧客の現実を知るためのデプスインタビュー調査の実施が有効です。
※デプスインタビュー調査の活用事例はこちらをご覧ください
デプスインタビュー調査サービスの、お申し込みから納品までの流れ
サービスについてのご不明点などは、まずお気軽に問い合わせフォームまたはお電話でお問合せください。

1~10はフルサービスの場合の流れです。ご希望により「デプスインタビューのモデレーター業務(インタビュアー)だけ」、「1~8まで」など、ご要望に対応しておりますので、お気軽にご相談ください。
デプスインタビュー調査サービスの概算料金
表示価格は税別です。
以下の条件の場合の概算料金 約25~30万円
・インタビュー調査対象者数 | :5名として(謝礼金込み) |
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・インタビュー調査対象者 | :御社の対象者リストから抽出 |
・調査手法 | :オンラインインタビュー |
・1人の調査対象者に対するインタビュー時間 | :60分程度 |
・インタビュー内容の書き起こし作成 |
オフラインで実施の場合は、会場費・録音録画機器料金等が別途必要です。
デプスインタビュー調査のやり方を学びたい場合は
「デプスインタビュー調査のやり方がよくわからない」
「インタビューはしているけど、深掘りできている気がしない」
「今まで市場調査会社に外注していたが、今後は自社内でデプスインタビュー調査を実施できるスタッフを養成したい」
といったお悩みはありませんか。
当社では、デプスインタビュー調査のやり方をお教えするサービスを提供しております。
デプスインタビュー調査について、実践的でていねいに一から十までお教えいたします。
講師はロングセラーになっている美容家電の新商品コンセプト提案や、システムバスルームのリニューアルコンセプト提案、主婦の自己実現欲求を叶えるサービスのコンセプト提案など、デプスインタビュー調査の実施と提案で30年以上の実績を積んでいる者が務めます。
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