敏感肌用洗濯洗剤の消費者調査の事例(79号)
ターゲットを絞った新市場開拓の事例
2007年2月2日の日経MJの記事からの抜粋です。
記事抜粋:
■「ライオンが昨年10月に発売した乾燥肌・敏感肌の人のための衣料用洗剤「ケアベール」が好調だ。
加齢による皮膚の乾燥や日頃のストレスで、肌の不調に悩む人が多い。
ライオンの調査によると、「自分は乾燥・敏感肌である」と感じる人が増加している。
特に女性でその比率が高く、約7割が衣類を着ているときに肌にかゆみやかさつきなどの不快感を持っているという。
肌に悪影響を与えると考えて、衣料用洗剤の使用量を規定より少なめに使う人も多い。
しかし洗濯で落ち切れなかった汚れが、肌荒れを悪化させる例もみられ、「汚れ落ちのよさと低刺激性を両立させる洗剤が必要」と考えた。
ライオン社内で本格的に商品化に取り組み始めたのが2年前。
洗浄力と低刺激を両立するのは難しく、洗浄成分の研究に時間がかかった。
「効果をうたうためには専門家の意見が必要」と判断し、複数の皮膚科医に治験を依頼、問題が無いことを確認した。
販路を目的買いをする消費者が多いドラッグストアに絞って、「時間をかけて信頼性の高い製品に育てる」考えだ。」
—記事抜粋はここまで—
敏感肌・乾燥肌用の商品ですと、直接肌に塗るクリームのようなものや、刺激の少ない織り方を工夫した肌着のシャツなどがありますが、これはそういった「衣類の洗濯」に注目したところがすばらしいです!(^^)
記事にありますように
「約7割が衣類を着ているときに肌にかゆみやかさつきなどの不快感を持っている」や
「肌に悪影響を与えると考えて、衣料用洗剤の使用量を規定より少なめに使う人も多い」
「洗濯で落ち切れなかった汚れが、肌荒れを悪化させる例もみられる」など、「肌の状態に関する現状」と「洗濯行為に関する現状」をきっちりと把握されていますね。
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■ここからは、この事例について「市場調査をしたとしたら・・・」という
過去にさかのぼった私の妄想の世界です。
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■この商品の場合は、洗剤メーカーとして
・洗濯洗剤は、すすいでも衣類に残るもの
・衣類に残った洗剤は肌に影響を与えることがある
という認識を持っているところから始まると考えられます。
そこで、衣類との接触でかゆみなどを感じる人が増えていることから、
・衣類でかゆみなどを引き起こさないようにするために、何か工夫をしているのではないか?
・洗剤・柔軟剤などが肌に影響すると考えているのではないか?
・洗剤を天然由来のものにする、量を減らす、柔軟剤に配慮する、等いろいろ考慮しているのではないか?
といった仮説を立てます。また、男女別や年代別では違いがあるのか、といったことも考慮しておきます。
■アンケート質問案として、以下のような質問案が考えられます。
A. スクリーニング調査(対象者抽出+現状把握)
S1. 性別
- 男性
- 女性
- その他
- 回答しない
S2. 年代
- 10代
- 20代
- 30代
- 40代
- 50代
- 60代
- 70代以上
S3. 居住形態(洗濯環境の把握)
- 一人暮らし
- 家族と同居(子どもなし)
- 家族と同居(子どもあり)
- その他
S4. 洗濯の関与度(主に洗濯をする人か)
- 自分が主に行う
- 自分も行う(半分程度)
- ほとんど行わない(別の人が主)
- 洗濯はしない
S5. 洗濯洗剤の購入関与
- 自分が選んで購入する
- 自分も意見は言う
- ほとんど関与しない
- 購入しない
S6. 現在の肌の悩み(過去3か月)【複数選択可】
- かゆみ
- 赤み
- 乾燥
- ヒリヒリ/刺激感
- ぶつぶつ/湿疹
- じんましん様の症状
- 特にない
- その他(自由記述)
S7. 肌の悩みの程度(最も当てはまるもの)
- ほとんど気にならない
- たまに気になる
- 時々気になる
- よく気になる
- かなり深刻(生活に支障がある)
S8. 症状が出るタイミング(過去3か月)【複数選択可】
- 入浴後
- 汗をかいた後
- 乾燥する季節
- 新しい衣類を着た時
- 洗濯した衣類を着た時
- 特定の衣類素材を着た時
- 特に決まっていない
- その他(自由記述)
S9. 「洗濯した衣類」で肌に違和感を感じることはありますか?(過去3か月)
- よくある
- 時々ある
- たまにある
- ほとんどない
- まったくない
S10. 洗剤・柔軟剤が肌に影響すると思いますか?
- とてもそう思う
- まあそう思う
- どちらともいえない
- あまりそう思わない
- まったくそう思わない
B. 本調査(衣類×肌状態、工夫、満足/不満、商品受容)
B1. 衣類と肌との状態について(指定の質問群)
Q1. どんな衣類だと、どのような症状になりますか?【複数選択可】
衣類(複数選択)
- 下着(肌着・インナー)
- 靴下・ストッキング
- Tシャツ・カットソー
- シャツ・ブラウス
- ニット・セーター
- ルームウェア・パジャマ
- タオル類(フェイスタオル・バスタオル)
- 寝具(シーツ・枕カバー・布団カバー)
- スポーツウェア
- 子ども衣類(該当者のみ)
- 特にない
- その他(自由記述)
症状(複数選択)
a. かゆみ
b. 赤み
c. 乾燥
d. ヒリヒリ/刺激感
e. ぶつぶつ/湿疹
f. じんましん様
g. その他(自由記述)
(※実装は「衣類を選んだら症状を紐づける」マトリクス形式が理想)
Q2. 症状が出やすい部位はどこですか?【複数選択可】
- 首・うなじ
- 背中
- 胸・お腹
- 腰回り
- 二の腕
- ひじの内側
- 手首
- 太もも
- ひざ裏
- 足首
- デリケートゾーン周辺
- 全身
- その他(自由記述)
Q3. 症状が起きる頻度(過去3か月)
- ほぼ毎回
- 週に数回
- 週に1回程度
- 月に数回
- まれ
- ほとんどない
Q4. その症状はどの程度困っていますか?
0〜10段階(0=困っていない、10=非常に困っている)
B2. 洗濯時の留意点・工夫(指定の質問群)
Q5. 衣類でかゆみ等が起きないように、洗濯で工夫していることはありますか?
- ある
- ない
- わからない/意識したことがない
(Q5=1の人へ)
Q6. 現在実施している工夫を教えてください【複数選択可】
- 洗剤の使用量を少なめにしている
- 洗剤を「肌にやさしい/敏感肌向け」に替えた
- 無香料/微香料を選んでいる
- 天然由来・植物由来を選んでいる
- 柔軟剤を使わない/減らしている
- 柔軟剤を「低刺激タイプ」に替えた
- すすぎ回数を増やしている
- すすぎの水量を増やす設定にしている
- つけ置き/予洗いをして洗剤残りを減らす意識がある
- 洗濯槽クリーナー等で洗濯機を清潔にしている
- 新しい衣類は着用前に必ず洗う
- 衣類の素材(綿中心など)を選ぶようにしている
- 洗濯ネットや詰め込み過ぎない等、洗い方を工夫している
- その他(自由記述)
Q7. 工夫を始めたきっかけは何ですか?【複数選択可】
- 自分の肌トラブルが増えた
- 家族(子ども含む)の肌トラブルが増えた
- 医師/薬剤師/家族・友人の助言
- SNS/口コミ/記事を見た
- 店頭で見かけた
- なんとなく不安になった
- その他(自由記述)
Q8. 「洗剤・柔軟剤が衣類に残る」ことについて、どの程度気になりますか?
- とても気になる
- まあ気になる
- どちらともいえない
- あまり気にならない
- まったく気にならない
Q9. 洗剤・柔軟剤が肌に影響すると感じる要因はどれですか?【複数選択可】
- 香料
- すすぎ不足による洗剤残り
- 柔軟剤成分
- 漂白剤/添加剤
- 洗濯機の汚れ/カビ
- 衣類素材そのもの
- 汗・皮脂との反応
- よくわからない
- その他(自由記述)
B3. 満足点・不満点(指定の質問群)
Q10. 現在の工夫による満足点を教えてください【複数選択可】
- かゆみ/刺激が減った
- 肌の赤み・湿疹が減った
- 安心感が増えた
- 香りが気にならなくなった
- 仕上がり(ふんわり等)に満足
- コストが抑えられた
- 時間や手間があまり増えない
- 特に満足していない
- その他(自由記述)
Q11. 現在の工夫による不満点を教えてください【複数選択可】
- 汚れ落ちが不安/落ちない
- 香りが物足りない/好みではない
- 仕上がりがゴワつく
- すすぎ回数増で水道代・電気代が増える
- 時間がかかる/手間が増える
- コストが高い
- どの商品を選べばよいかわからない
- 効果を実感しにくい
- 特に不満はない
- その他(自由記述)
Q12. 工夫を「続けたい」と思う理由/続けにくい理由(自由記述)
B4. 新商品コンセプト検証(開発に直結)
Q13. 次の特徴がある洗濯洗剤があれば、興味はありますか?
(例:すすいだ後の衣類への残りに配慮し、肌への刺激リスクを抑える設計)
- とても興味がある
- まあ興味がある
- どちらともいえない
- あまり興味がない
- まったく興味がない
Q14. 興味の理由/興味がない理由(自由記述)
Q15. そのような洗剤に期待すること【複数選択可】
- かゆみ・刺激が起きにくい
- すすぎ回数を増やさなくても安心
- 汚れ落ちも妥協したくない
- 無香料/微香料
- 成分がわかりやすい(表示)
- 子どもにも安心
- 価格が手頃
- その他(自由記述)
Q16. 受容できるトレードオフ(許容範囲)【複数選択可】
- 価格が少し高くなる
- 香りが弱くなる
- 仕上がり(ふんわり)が弱くなる
- 洗浄力が少し落ちるのは困る(許容できない)
- 使用量・手間が増えるのは困る(許容できない)
- その他(自由記述)
Q17. 価格感(想定価格レンジ)※自社カテゴリに合わせて
例:一般品同等 / +10% / +20% / +30%まで / それ以上は難しい
C. 現在使用している商品・習慣(補足で効く)
Q18. 現在使っている洗濯洗剤のタイプ
液体 / 粉末 / ジェルボール / おしゃれ着用 / ベビー用 / その他
Q19. 柔軟剤の使用
毎回使う / 時々使う / 使わない
Q20. すすぎ設定
1回 / 2回 / 3回以上 / 自動 / わからない
Q21. 洗剤量の計量
表示通り / 少なめ / 多め / 目分量
D. セグメント用(肌感受性・価値観)
Q22. 自分は敏感肌だと思いますか?
とてもそう思う〜まったく思わない(5段階)
Q23. 香りの好み(洗濯)
強い香りが好き / ほのかに香る程度 / 無香料がよい / どちらでも
■上記のようなアンケート質問文は一例ですが、当社ではお問合せ頂いた企業様の調査目的や会社の現状、課題などをていねいにヒアリングして、課題の解決につながる市場調査手法をご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。
サービス内容につきましては、以下に詳しくご説明しておりますのでいちど御覧ください。
《※2006年1月から【まぐまぐ!】で発行しているメールマガジン 【女性視点(?)なマーケティング発想のヒント】 からの転載です。》
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