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企業理念

  • クライアント様へのマーケティング業務活動を通じて、《人々の満足の質の進化》に貢献します。
  • マーケティングの可能性を探求し、その普及・実践に尽力します。
  • 《埋もれているものの掘り起こし》をテーマに、
    • ○クライアント様の潜在能力の発掘
    • ○人々の潜在欲求の具現化
    • ○女性の活躍の場の提供
    • に、挑戦しつづける企業を目指します。

事業コンセプト

当社は市場調査における「仮説力・分析力・創造力・気付き力・提案力」の5つの力で、「企業様の潜在価値=強み」の発掘と収益化をお手伝いします。

事業コンセプト

当社では市場調査のすべてのプロセスで

  1. 仮説力
  2. 分析力
  3. 創造力
  4. 気付き力
  5. 提案力
の5つの力を磨き、ご提案しています。

5つの力についてご説明します。

1.仮説力

市場調査における「仮説力」とは、今はまだわかっていないマーケット像(消費者像)を調査前に想像する力です。
仮説力が高いほど(想像力が高くリアルなほど)、無駄な情報収集や無駄な調査をする必要がなく、目的とする着地点への到達が圧倒的に早くなります。
仮説は現在ある情報を基にして立てます。その際には経験や勘など、持っている能力を総動員します。

「仮説の例」を挙げますと、

  • 経営者や従業員は「会社のウリは○○。」と考えているが、顧客はそう思っていないのではないか?
  • 業界の常識では天ぷらの揚げ方は○○○だが、健康志向を考慮すると○○○の方が支持されるのではないか?
  • 次回来店してくれるリピート率が低いのは、このサービスの効果を伝えられていない、理解されていないからなのではないか?
・・・・・などです。

こういった仮説は、そのクライアント企業の経営者・従業員・関連会社・顧客などに話を聞いたり、観察したり、消費者意識のトレンドを踏まえておいたり、といった情報を基にし、仮説を立てていきます。

2.分析力

マーケティング戦略策定や商品開発などには、市場調査を実施します。
市場調査では「マクロ環境(社会・政治・経済・技術・価値観・ライフスタイルの変化など)・自社・顧客・競合(3C分析)」について調査しますが、まずは二次データ(社内データや、統計データなど既にある情報)を分析し、二次データだけでは課題解決のためのデータが不足する場合、一次データ(消費者調査といった、特定の目的のために収集する情報)を収集します。

こういったデータの読み方にはコツがあり、全体を俯瞰し、同時に細部にも目を配り、また時系列や地域、あるいは性別や年代で比較したり、仮説を立てたりしながら、データの意味するところを読み解いていきます。

生活者調査では「収集したデータをどのように読むか」といった切り口や視点が重要であり、分析者のセンスや能力によるところが大きいといえます。
例えばインタビュー調査での参加者のなにげない発言や、アンケートの自由回答の中に、商品開発に使えるキーワードが潜んでいたりするものです。そういったキーワードを見つけ出すことは、分析のおもしろさ・醍醐味です。

3.創造力

分析したデータを、クライアントの課題解決に役立つようなアイデアに昇華させるのが創造力となります。
例えば生活者の満足不満足度調査結果の不満点からは新たなアイデアを創造したり、きめ細かく客観的な生活者動態調査からは人の潜在的な(無意識の)欲求を発見することもできます。
これはtoC(生活者対象)だけのことではなく、toB(企業顧客向け)でも同様です。

4.気付き力

気付き力は前述の「仮説力・分析力・創造力」すべてにかかるものです。
講習会などで、同じ話を聞いてもいろいろなことを吸収できる人・聞き流す人、同じデータを見てもデータから重要な意味を見つけられる人・読み取れない人・・・、気付き力は人により大きな差があります。

たとえば、自社分析では「強み/弱み分析」をしますが、強みは○○で、弱みは○○といったことは、作業をすれば自動的にポンと出てくるものではなく、分析者が「強みは○○だ。」と気付かなければ、見過ごされてしまうものです。

アンケート調査でも、定量調査結果(「Aが○%」などと数値で集計するもの)の大きな数値だけを重視するのではなく、小さな数値でも誤差なのか、それとも《何かの変化のきざし、先触れ》なのかを判断できることや、定性調査結果(自由回答)にひとつだけ出てきた意見でも《新しいアイデアの種》になるのではないかと気付くことが重要となります。

また、マーケティングは最終的には《ターゲット顧客に》《喜んで買っていただく》ためのしくみづくりですので、調査結果だけでなく人の生活感や価値観・欲求・感情など《世相》《世間に漂っている空気感》といった、《もや~っとしたもの》にも敏感であることが重要です。この《もや~っとしたもの》は、日々世の中(日本だけでなく世界のことも)で起こる事件や事象によって、人々の潜在意識の中にいつのまにか形成されていくものだと思われます。それがやがて顕在意識に現れてくるものです。
そういった時流の変化に早く気付くことも、マーケティングには重要となります。

5.提案力

調査設計においては、調査手法やターゲット設定、質問内容、調査案内文案、分析の方向性などを、ていねいなヒアリング実施して関連情報をデスクリサーチで収集してからご提案します。
調査結果を分析、課題解決に役立つご提案報告書を作成します。
また業務全体を通して、クライアント様が課題や調査目的として当方に提示されていなかったことでも、市場調査と情報収集を実施することで当方が「これはクライアント様の隠れた問題ではないか」と気付いた場合は、決して見過ごさず「〇〇が問題ではないですか?」とおせっかいながらお話をして、「確かに〇〇が問題です。」となれば、それも調査項目に入れるといった具合に、言われたことだけではなくクライアント様の会社全体としてより良くなることを視野に入れながら考えています。

事業コンセプト

「企業様の潜在価値=強み」には3つの活用の仕方があります。

  1. 強みを掘り起こし、徹底的に磨くこと
  2. 強みを活かしたモノやサービスを生み出すこと
  3. 強みを活かせる新たな市場に、新たなコンセプトでモノやサービスを生み出すこと

3つ活用の仕方についてご説明します。

1.強みを掘り起こし、徹底的に磨くこと

意外に思われるかもしれませんが「社内で認識している自社の強み」と「顧客や取引先が認識しているその企業の強み」とが、ずれていることはよくあります。

たとえば以前の調査事例を挙げますと、ある幼児教育会社では自社の強みは「講座内容」だと認識していましたが、子供の母親に調査をしてみると、講座内容はもちろん重要ですが「講師の人柄」がリピート利用の決め手になっていたり、
ある人材派遣会社では「派遣社員のスキルの高さ」が強みだと認識していましたが、調査を実施してみるとクライアント企業側では「(派遣社員のスキルは並だが)、営業マンのきめこまかい営業活動」が他社とは違う点であり、いろいろと助かるという評価であったり・・・ こういった認識のずれは、多くの企業様に起こっていると思われます。

このようなことが起こるのは、自社が客観的に自己認識をしていないこともありますし、長く続いている企業様の場合は時が経つに従って自社の顧客(消費者やクライアント企業)の求めるところが変化しているのかもしれません。
いずれにしろ、常に自社の顧客(消費者やクライアント企業)にとってメリットとなる自社の強みを認識し、それを極め、同時にその価値を自社の顧客(消費者やクライアント企業)にも伝わるようにプロモーションしていくことが重要となります。

売上げアップの突破口は「自社の中にある」といえます。「自社の強み」を掘り起こし、それを徹底的に磨き、顧客に伝えることで新たな市場を創造できます。

2.強みを活かしたモノやサービスを生み出すこと

《強みを活かしたモノやサービスを生み出すこと》とは、たとえば、先述の例ですと
幼児教育会社では採用する人材の選び方に明文化されていない基準があったのですが、それは自社にとっては「当たり前」なことであったため、自社の強み(ウリ)になるとは認識されていなかったのです。 
それが市場調査を実施することにより、お客さまにとってはそれが価値のあることだということが明らかになりました。そこで「自社の講師育成のポリシーとして人柄を重視していること、なぜそれが子供にとって重要なのかを伝え、現場の講師にも登場してもらい、両親や子供の安心している声、満足の声などで構成するチラシ広告やホームページを作成し集客を増やしたり、評価されている講師の評価要因を分解して、講師養成システムに活用すること」など、強みを活かすプロモーションへと展開できました。

また人材派遣会社でも「呼ばれたらすぐに行く営業」「ささいなことでも駆けつける」など、一見ドロくさい営業ともとられがちな対応スタイルは以前からの社風ともいえる特徴でしたが、その点が強みになるとの認識は経営者にはありませんでした。しかし取引先企業へ実施した市場調査結果からそれが選ばれている理由であることが明らかになりました。
その後、この調査結果を反映させ、きめこまかい営業スタイルを活かして、積極的に取引先の抱える問題点を収集し、問題点の類型化や解決策の提案、その結果のノウハウの蓄積、他のクライアントへの提案といった事業展開を進めています。

このように自社の取引先企業への市場調査を実施して社外の評価を収集することにより、自社内では気付かなかった強みが発見されることで、新たな展開を考えることができます。

3.強みを活かせる新たな市場に、新たなコンセプトでモノやサービスを生み出すこと

《新たな市場に、新たなコンセプト》とは、「下請けとして企業向けに生産していたものを、一般生活者をターゲットにする」 「女性を対象としていたものを、男性にも広げてみる」「若年層向けだと考えられていたものを、高齢者にも対応できるようにと考えてみる」といったことです。

たとえば以前は「化粧品は女性が使うもの」と考えられていましたが、今では男性用化粧品の市場が活性化しています。また子供や若い男性が主要顧客だったゲーム機も、脳トレーニングや癒し系ゲームソフトを充実することにより、女性や中高年へと購買層を広げています。

こういった「モノ」だけのことではなく、たとえばコンビニが従来の主要顧客層である「若い男性」だけでなく、女性や高齢者を積極的に取り込もうとしているように、流通業やサービス業でも同様の掘りおこしができます。

あるいは、まったく別の《新たな市場》に《新たなコンセプト》を提供することも考えられます。
それは、《ある人たち》に、「こんなモノ、こんなサービスが欲しかったんだ!」と感じてもらえるモノやサービスを生み出すことです。
マーケティングのおもしろさはこの「今まで誰も気付かなかった新しい市場を創造すること」だと考えます。

このような「潜在価値=強み」の発掘と収益化には、まず「土台になる情報」を収集するための市場調査の実施が重要です。

ごあいさつ

代表近影

当社サイトにご訪問いただき、まことにありがとうございます。
株式会社マーケティング イノベーション代表取締役の鈴木規子と申します。「マーケティングはイノベーション《革新》だ」との思いから、そのまんまですが社名にいたしました。

起業のきっかけ

起業のきっかけは、2000年頃、資格試験取得の勉強をしておりましたときに、中小企業が日本の企業の99%以上を占めることや、マーケティングが活用されていないこと、日本経済の活性化には中小企業の活性化が肝要であることを知り、根が非常に単純なもので「私がやらねば誰がやる!」と急にひらめいた(?)次第です。 当時は漠然と「自分のマーケティングスキルをいつか役立てよう。」と考えていただけだったのですが、その後機会もあり、奈良で起業し現在に至っています。
会社を設立してから中小企業経営者の方の話を伺うようになって、マーケティングが活用されていないことを実際の話として知り、マーケティングを経営に取り入れていただくべく、当社でご提供するサービスも「これはうちの会社で利用できるかもしれない。」と気付いていただけるよう、きめ細かくいろいろなサービスをご用意しています。

生活者と企業の橋渡し役に

マーケティング会社の役割のひとつは≪生活者と企業の橋渡し役≫だと私は考えています。
生活者の不満や不安、欲求など、形になってはいない意識をマーケティング会社がていねいに拾ってコンセプトや企画にし、それを企業様に具体的な商品やサービスにしていただいたり、企業様の良さを伝えたり、誤解が生じてマイナス評価になっているものを解消して共感を得られるようにしたり、生活者と企業様のあいだにあって双方の満足の向上に役立てればと考えます。
≪橋渡し役≫とも似ていますが、当社は≪埋もれているものの発掘≫も注力しています。いいものを持っておられるのに十分に発揮できていない企業やお店の≪いいところ≫を発見して、お客様に買っていただけるようにすることや、今はまだ顕在化していない生活者の欲求を見つけ出して商品やサービスに具現化すること、あるいは結婚後、家庭に入って能力に見合った仕事が見つかりにくい女性の活躍の場を提供すること、などです。

本気でやり切るところがウリです

マーケティングの仕事ではクライアント様の課題や将来的にどうなりたいかなど、様々な角度からていねいにお話を伺い調査のご提案をいたします。クライアント様が現状の調査目的として意識されていないことでも、「会社全体の将来を考えた場合、このような調査視点が考えられます」といったおせっかいもしょっちゅうやっております。言わないで後悔するよりは「とりあえず言ってみる」の精神です。
仕事の話では守秘義務がありますので詳しい事例紹介ができませんが、個人的なことでひとつ事例を紹介させていただきます。

本気活動の事例のご紹介-マンション管理会社変更までの悪銭苦闘-

私が現在住んでいるマンションの管理組合の話です。
マンション管理組合の理事は輪番制とのことで、2001年11月から1年間、管理組合理事会の理事になりました。理事の仕事は何かもわからないまま、1回目の理事会に出席しました。
マンションの管理を請け負う管理会社の人が会議を取り仕切っており、そのうち前期の理事会から引継ぎ案件の、敷地の修繕工事の見積りについての説明になりました。
そこで私は「工事費用のあい見積りは取ってないんですか?」と、ビジネスパーソンとしてはごく自然な疑問として、軽いかんじで管理会社の人に尋ねました。
すると「あい見積りを取る必要はないんです!いつもこの業者でやっています!」と、驚くようなこわばったリアクションに一瞬ひるみましたが、アイミツを取らないのはおかしいので、「あい見積りは必ず取るようにしてくださいね。」と依頼しました。
すると、また「いつもこの業者でやっている、なんだかんだ」と言うので、これはなんか妙だなと思いつつ、「とにかくあい見積もりを取ってくださいね!」と言い、理事長にも賛成するよう話を向け1回目の理事会は終了しました。

1回目の理事会のあと、私は家でインターネットで情報収集したり、ビジネス誌や書籍を購入したりして、管理組合や管理会社の情報を片っ端から収集し、本来はマンション管理組合理事会が主体であり、管理会社は決定に従い実施していく立場であること、当マンションの管理会社がどうも悪質な部類であり、管理費を不当に高額に取っていること(330戸あるので、それまでの約10年間に約10億円ほど)、住民がひと月に払う費用の内訳として、管理費が高く(約13,000円くらい)、修繕積立金が非常に少なく(約3,000円くらい)、このままでは大規模修繕工事の出費に耐えられないことなどに気付きました。

情報を収集すればするほど、「このままではこのマンションの将来は大変だ!」といてもたってもいられなくなり、2回目の理事会のあと、理事長以下理事会の役員全員(8~9人くらい)の家を回って、それまでに収集した管理会社などの資料や、周辺マンションの管理費と修繕積立金と当マンションとの比較表を渡して説明しながら、「この管理会社はまずいので、何とかしないといけない、管理会社を替えないといけないと思わないですか?」という話をしました。

ところが皆さんの反応は想定外のものでした(泣)。
「問題だと思うけど、管理会社を替えるなんて無理ですわ。」や、「私はできない。誰かがやってくれたらと思いますが。」とか「今の管理会社もそこそこやってくれてますしね(日常業務をやる管理員は親切だった)。替えることまでする必要あるでしょうか。」などで、ひとりも管理会社を替えることに賛成してくれなかったのです。
「理事の人たちは当然管理会社変更に賛成してくれ、理事長さんあたりか、理事長はけっこうご高齢だったので、3,40代の男性も6,7人おられるので、誰かが主になって進めてくれるはず。」と安易に考えていた私は、「いったいどうしたらいいんだろう・・・。」と途方にくれてしまいました。

それからもずっと、どうやったらよいかを考えていましたが妙案は浮かばず、その期の管理組合最後の仕事である総会が10月に開催されました。
総会というのは、ほとんどの住民は関心がないので委任状を出し、参加するのは330戸中だいたい毎年10人くらいです。

議案の説明と採決を進めるなかで、参加者のなかで3人の方がいろいろ質問したり、苦情を言っているのを聞いているうちに、「そうだ、この人たちは問題意識が高そうだし、一緒に管理会社変更に動いてくれないかな?」と思いつきました。

それで、総会中に部屋番号と名前をメモし、総会後家に帰ってすぐに手紙を書きました。
「今の管理会社の現状や、管理費、修繕積立金などの説明と、管理会社の変更すべきなので、一緒にやってくれませんか?」という内容です。それをポストに投函し返事を待ちました。

すると、ありがたいことに3人の方は快く応じてくれて、それから1年間、毎月2,3回定期的に会合し、管理会社選考のコンペにかける管理会社の資料や裏づけ資料を集めて検討し、実際に複数のマンションの視察なども4人で実施し、管理組合理事会に議案を提案し、とりあげ決定してもらうまでを段取りしました。

そして確実に管理会社変更を成し遂げるには、事情をよくわかった人が理事にならなければ、現管理会社の人に影響を受けてこの計画が頓挫するかもしれないということになり、私が理事長に立候補しもう一人が理事に立候補して、理事長と理事となりました。それが2003年の11月のことです。

私たちが理事長と理事になったことで、管理組合を牛耳っていた管理会社社員幹部は、もう確実に他社に替えられるとわかっているので重要な資料を出さなかったり、問題をそのままにしたりといやがらせをしてきました。 また住民の中のコワイ系列の人が「ウチの関連会社を業者に使ってくれ。」とねじこんできたり(お断りしました)、と管理会社を変更するまでに紆余曲折がありましたが、なんとか2004年の2月頃、臨時総会を経て無事管理会社を変更することができました。

ところでこの混乱のさ中、2004年3月に私は会社を設立したのですが、理事長になったことで、この年は結局10月いっぱいまで会社のほうは開店休業状態となってしまいました。
管理会社を変更したことは一安心だったのですが、重要な書類の引継ぎができていない、業務が混乱する、理事会の運営を根本から改革するなど理事長業務を朝から晩まで、一週間休みなしで毎日やる必要が起こってきたからです。(もちろん無給です(^_^)。逆にいろいろと出費があり、自腹で20万円くらい支払いました。)

更に、1回目の大規模修繕工事の実施年にもなっていたため、2004年の6月から10月まで工事も監理していました。
施工の建設会社はコンペにし、足場を組まずにゴンドラにするということと、スーパーゼネコンだということでT社が選ばれたのですが、このT社が失敗の連続により、私の理事長業務を更に超過酷なものとしてくれました(涙)。

T社はコンペで示した仕様を、実際にはいくつも反故にしたのです。大きなところでは、ゴンドラがT社にした決め手のひとつであったにもかかわらず、ゴンドラは無理だと言い出して、足場を組むことになった、というようなことです。

施工は手抜き工事の連続で監理がまったくできておらず、こちらが目を光らせてチェックしていないとすぐにむちゃくちゃな施工をやるような会社だったのです。
あとでゼネコンに勤めている住民の人に聞くと、「スーパーゼネコンといっても、大規模修繕工事などは二軍の人材が来ることが多い」とのことなんだそうです・・・。

夏の暑い間、1階から7階まで330戸一軒一軒の、建物の足場を昇って外側からベランダに入らせていただいてチェックしたり、外壁をチェックしたりと「とび職さん」状態です(疲)。

あまりにひどいので、ずさん施工の数々をビデオに録画し、工事の終盤はT社の上部管理職との交渉で「施工不良で裁判に訴える」という話もしていたのですが、訴えるためには当方で裁判に勝つだけの資料を準備しなければならず、ボランティアでそれだけのことをできる人がいない、ということで結局泣き寝入りしました。

・・・そんなこんなで、2001年にたまたま理事の順番が回ってきたことで、ある意味ドツボにはまったようにも見える私ですが(親には「会社作ったのに何してるの!早く仕事しなさい!」とチクチク言われる始末で・・。)、この期間にマンション内に仲の良い知人もできましたし、たくさんの方から「ありがとう」と言っていただけましたし、管理会社を変更したことで、管理費と修繕積立金の比率がおおよそ逆転し、ものすごく管理費が下がり、将来の修繕積立金も少しは安心できるようになりました。

そして2004年11月に管理組合理事長の任期を終えた後、マンションのコミュニティを醸成するため、今度は『コミュニティ専門委員会』という管理組合の下部組織を立ち上げました。
当マンションは330戸の大規模マンションで、売却が多く将来的にはスラム化や賃貸物件が増えるといった危惧を私は持っていました。

住民がずっと住み続けていくポイントは何かと考えると、それは「管理」と「コミュニティ」だと考えられます。 「管理」とは「マンションのインフラ」といえるすべてのことで、現在管理会社へ委託している事柄(たとえば管理員、点検業務、植栽など)のそれぞれや、建物・設備がきちんとメンテナンスされている、バリアフリーになっている、といったことなどです。 一方「コミュニティ」はメンタルな面での、「ここに住みたい、ここから離れたくない」という気持ちにされるもの・・・「安心、楽しく、住みやすい、居心地がいい」とか「孤独な老人をつくらない」「子供たちをコミュニティでしつけする」など、現代版の「長屋のよさ」的なものだといえます。コミュニティ意識が醸成されていくと、ひとりよがりな意見を言う人が減ってきたり、人の目があるので自分勝手な行動(例えばゴミ捨て場所に捨ててはいけないものを捨てる行為など)も減ってくることが実証されています。

コミュニティ意識は急には醸成されないものであり、またこのような大規模マンションでは自然に醸成されていくものではないので、専門委員会で長期的に検討と実施をしていきたいと考えたのです。
マンションはひとつの密な地域社会ですので、この中で、住民それぞれが持っていく得意なこと、智恵、ノウハウなどを出し合ったり、助け合ったりすることや、ずっとこのマンションに住み続けたいと思えるようにしていければと思っています。

管理会社変更については、当初まったく自分でやる気はなかったのですが、誰もやってくれそうもないので≪本気を出してやり切った≫事例紹介でした。
この苦闘のあいだに、何度も繰り返し思ったのは≪隗より始めよ≫という中国の格言です(三省堂の国語辞典によると「言い出した人から始めなさい」とあります)。
自分が管理会社を替えるべきだと思ったなら、自分でやるべきであり、「誰かがやってくれたらいいのに。」と待っていてはいけないんだ、ということを学びました。
この言葉は今も、私の座右の銘にしています。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

会社概要

会社名
株式会社マーケティング イノベーション
代表者
代表取締役 鈴木 規子
所在地
〒635-0013 奈良県大和高田市昭和町2-2-708
設立
2004年3月
電話番号
0745-53-8006
URL
https://m-innovation.jp/
事業内容
1.アンケート調査
2.インタビュー調査
3.リサーチ実践講習

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