水筒・ステンレスマグの市場調査の事例(76号)
現状把握情報からのアイデア発想の事例
2007年1月17日の日経MJの記事からの抜粋です。
記事抜粋:
■「飲み物を入れて持ち歩け、ゴミも出さずに済む容器「リキシールマグ」が好評だ。
ここ半年ほど販売増が続き、ある大手雑貨店では月約1200個を売る。
2625円と競合の約2倍するが、それでも一ケタ多い売れ行きという。
外出時に携帯する主婦や、オフィスで使う会社員の需要を集めているようだ。
本体はプラスチックの二重構造で、あいだにすき間を設けて保温・保冷効果を高めた。
密閉性に優れ、カバンの中で横にしてもすき間から中身が全くもれないのも特徴。
やけどをしないよう、飲み口をすり鉢状にしてゆっくり飲み物が出るよう配慮した。
(販売している会社の人の話)当社は既存のキッチン関連ツールのうち、不便さに消費者が慣れてしまっているものを改善して商品化するのが一貫したコンセプトだ。
今回のマグは特に宣伝もしなかったが、クチコミで評判が広まった。
各社の通販サイトにもデザインや機能性を評価する消費者のレビューが多く、手ごたえを感じている。」
—記事抜粋はここまで—
↑このサイトでは、06年4月からユーザーレビュー(評価)が始まっていますので、その頃から楽天市場で販売を始めたのかもしれません。
●この事例は、「安売りしない」「宣伝しなくてもクチコミで広がった」という点で中小企業の方には参考にしていただきたい事例です。
記事中に「不便さに消費者が慣れてしまっているものを改善して商品化するのが一貫したコンセプト」とありますように、
「現状(今現在の使用状態や使用時の意識)を把握して、新アイデアを発想する」タイプの商品開発だといえます(消費者は不満点には気付いていないということです)。
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■ここからは、この事例について「市場調査をしたとしたら・・・」という
過去にさかのぼった私の妄想の世界です。
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■商品開発では、まずそのカテゴリーで現在どのような商品があるかの情報収集をします。
この商品の場合は、「飲みものを持ち歩く」「保温・保冷できる」という特徴を持つ商品はどのようなものがあるかをスーパー、雑貨店、ネットなどで探し、大きさ、価格、機能性、売れ行き、購入者特性などをまとめます。
次にターゲットや利用シーンの仮説を立てます。
・家で飲んでいるお気に入りのハーブティーを会社でも飲みたいOL
・ちょっとしたお出かけをする主婦(自販機には飲みたい飲み物がない)
・ご主人にコーヒーを持たせたい奥様(朝1本の缶コーヒー代も節約できるかも)
・車で出かけるとき
・・・など。
次に消費者調査を実施します。
方法は詳しい話を聞くためのグループインタビュー調査と、買ってもらえるかどうかの市場性をみるためのアンケート調査です。
質問のアプローチの仕方は、この商品の場合はふたつ考えられます。
ひとつは商品のコンセプトを問うもの(こんな大きさで、こんな機能で、
こんなデザインの商品は欲しいですか?いくらなら買いますか? など)
もうひとつは行動の現状を把握するもの
(たとえばOLへの質問なら、会社に行くときに飲み物を家から持って行っているか?
どのような商品を使っているか? その商品の不満点は? など)
■例えば、OLをターゲットにした場合の、水筒・ステンレスボトルの 新商品開発アンケートではこのような質問が考えられます。
① 属性情報
- あなたの年代を教えてください。
□ 20〜24歳
□ 25〜29歳
□ 30〜34歳
□ 35〜39歳
□ 40歳以上 - 勤務形態を教えてください。
□ フルタイム勤務
□ パートタイム勤務
□ 契約 / 派遣社員
□ その他
② 水筒・ボトルの使用状況
- 普段、水筒・ステンレスボトルを使っていますか?
□ ほぼ毎日使っている
□ 週に数回使っている
□ 月に数回使っている
□ 使っていない⇒回答終了 - 主にどこで使用していますか?(複数選択可)
□ 会社
□ 自宅
□ 外出先
□ スポーツ・ジム
□ その他( 自由記述 ) - 主にどんな飲み物を入れていますか?(複数選択可)
□ 水
□ お茶
□ コーヒー
□ 紅茶
□ スムージー
□ 炭酸飲料
□ その他( 自由記述 )
6. 現在使用している水筒・ステンレスボトルはどのタイプですか?(複数選択可)
▼ 素材・構造
□ ステンレス製(真空断熱タイプ)
□ ステンレス製(保冷・保温弱め、断熱なし)
□ プラスチック製(100均などの安価タイプ)
□ プラスチック製(スポーツボトル)
□ ガラス製ボトル
□ アルミ製ボトル
□ その他( 自由記述 )
▼ ブランドの目安
□ サーモス(THERMOS)
□ タイガー(Tiger)
□ 象印(ZOJIRUSHI)
□ ハイドロフラスク(Hydro Flask)
□ 無印良品
□ 100円ショップ(DAISO / セリア / CanDo)
□ 雑貨店ブランド(ロフト、ハンズ等)
□ ノーブランド(通販など安価なもの)
□ その他( 自由記述 )
▼ 形状・機能
□ スクリューキャップ式
□ ワンタッチ開閉式
□ ストロー式
□ マグタイプ(直飲み)
□ 広口タイプ
□ カバー付き(シリコン/布など)
□ スリムタイプ(バッグに入れやすい)
□ 大容量タイプ(800ml以上)
□ 小型タイプ(300ml以下)
▼ 購入価格帯
□ ~500円(100均など)
□ 501〜1,000円
□ 1,001〜2,000円
□ 2,001〜3,000円
□ 3,001〜5,000円
□ 5,001円以上
③ 現在使用している商品の評価
- 現在お使いの水筒・ボトルの満足度を教えてください。
(1=不満、5=非常に満足)
1 / 2 / 3 / 4 / 5 - 現在の水筒・ボトルで不満な点はありますか?(複数選択可)
□ 重い
□ 洗いにくい
□ パッキンの管理が面倒
□ 保冷・保温が弱い
□ かさばる
□ デザインが好みでない
□ ニオイが残りやすい
□ 漏れることがある
□ 特に不満はない
□ その他( 自由記述 )
④ 新商品開発のためのニーズ把握
- あなたが水筒・ボトルで最も重視する点を3つ選んでください。
□ 軽さ
□ 保冷・保温力
□ 洗いやすさ
□ デザイン
□ 価格
□ サイズ
□ 持ち運びやすさ
□ スリム形状
□ 漏れにくさ
□ お手入れパーツが少ない
□ その他( 自由記述 ) - 理想的な容量はどれですか?
□ 200ml以下(小型)
□ 300〜400ml
□ 500ml前後
□ 600〜800ml
□ 1L以上 - 理想的な価格帯を教えてください。
□ 1,000円未満
□ 1,000〜1,999円
□ 2,000〜2,999円
□ 3,000〜3,999円
□ 4,000円以上
⑤ デザイン・機能に関する具体的ニーズ
- どんなデザインが好みですか?(複数選択可)
□ シンプル・ミニマル
□ 可愛い・フェミニン
□ 高級感
□ マット仕上げ
□ パステルカラー
□ モノトーン
□ メタリック
□ その他( 自由記述 ) - 欲しい機能をすべて選んでください(複数選択可)
□ 片手で開閉できる
□ 食洗機対応
□ キャップがなくならない構造
□ 内側の匂い残り軽減
□ カバー付き
□ ストロー付き
□ 炭酸OK
□ 保温・保冷が長持ち
□ 持ち手付き
□ カバンに立てやすい底形状
□ その他( 自由記述 )
13-2.上記選択肢の中で一番重視するものを選んでください(ひとつ選択) - 「絶対に嫌なポイント」があれば教えてください(自由記述)
⑥ 購入意向(コンセプトテストに使用可能)
- あなたが魅力を感じる水筒・ボトルのキャッチコピーはどれですか?
□ 「洗いやすさ最優先。毎日のケアがラクになる」
□ 「軽くて持ちやすい。通勤バッグにすっぽり」
□ 「長時間キープ。午後までしっかり保冷」
□ 「デザイン重視のあなたへ。オフィス映えする1本」 - 上記のような特徴の商品があった場合、購入したいと思いますか?
1(購入したくない)〜5(ぜひ購入したい)
このような調査を実施して商品コンセプトを固め、途中で消費者の評価も聞きつつ
計画(plan)⇒実行(do)⇒評価(check)⇒改善(act)で商品化していきます。
上記のようなアンケート質問文は一例ですが、当社ではお問合せ頂いた企業様の調査目的や会社の現状、課題などをていねいにヒアリングして、課題の解決につながる市場調査手法をご提案しておりますので、お気軽にご相談ください。
サービス内容につきましては、以下に詳しくご説明しておりますのでいちど御覧ください。
《※2006年1月から【まぐまぐ!】で発行しているメールマガジン 【女性視点(?)なマーケティング発想のヒント】 からの転載です。》
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