53号 「知らぬまに電卓が進化!」2006年8月6日
こんにちは!マーケティング イノベーションの鈴木規子です。
また、たいへんご無沙汰しております。(^_^)
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Q:このメルマガって、どんなメルマガ・・・?
A:2006年1月から、不定期に発行しているメールマガジンです。日常生活や新聞・雑誌などで目にした「お客さま発想な商品やサービス」の事例を取り上げ、ご紹介しています。
他業界の事例でも「関係ない」とお考えにならず、「自社に応用できるところはないか?」という視点で、何かのヒントにしていただけると幸いです。
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●今日のお客さま発想事例 ⇒ 「知らぬまに電卓が進化!」
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■今日の事例は8月3日の日経新聞の記事からです。
記事抜粋:
「家電量販店などで売れ行きを急速に伸ばしているのが、いわゆる「脳トレ」機能を
搭載した電卓。シャープが昨年9月に発売し、カシオ計算機が今年3月に参入した。
ヨドバシカメラの売り場では、展示コーナーで脳トレを試す中高年の姿も目立つ。
「高齢者から若者まで家庭用に幅広く売れる。既に電卓を持っていても二台目として
買い足す人が増えている」(ヨドバシカメラ)
またテンキーとして使える電卓も、価格は四千円前後と高めだがよく売れている。
「職場にはテンキーを標準装備していないノートパソコンが多い。狭いデスクを
有効活用できる点が評価されている。」(カシオ計算機)
購入者は20代~40代のビジネスマンが中心。現在では、国内で出荷されている
電卓のうち約2割がテンキー機能付きとみられるまでになった。
キー配置や計算など基本機能はそのままに、デザイン性を高めた電卓も多い。
カシオ計算機の「NEO STYLE」シリーズは、キーの形状に丸みをつけ
外装の色も赤や青など四色を用意した。
「おしゃれな飲食店などで使われているほか、若い女性が仕事用に購入している」
という。
シャープの脳トレ電卓⇒ http://www.sharp.co.jp/corporate/news/050909-a.html
カシオNEO STYLE⇒ http://www.casio.co.jp/release/2004/neo_style.html
(「2004年2月発売」と、もう2年以上前なんですね。)
キャノンマーケティングジャパンの調べによると、電卓の2005年の国内出荷台数は
千十四万五千台でここ数年はほぼ横ばいが続いている。
学校の授業で電卓が採用されたことも需要を下支えしている。
---記事抜粋はここまで---
電卓にも「脳トレもの」があったとは!(^^;)
記事にありますように、電卓の付加価値として
「脳トレ」「パソコンのテンキーになる」「デザイン向上」が挙げられています。
100円ショップでも売られている電卓ですが、消費者の欲求をうまく捉えた
商品開発で高価格を維持しています。
(まったくの余談ですが、電卓が毎年1000万台以上も売れていること自体が
かなりのおどろきでした!(^^;))
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■ここからは、この事例について「顧客調査をしたとしたら・・・」という
過去にさかのぼった私の妄想の世界です。
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今日はちょっと「妄想」ではない内容です。m(__)m
記事では電卓の付加価値として
・「脳トレ」
・「パソコンのテンキーになる」
・「デザイン向上」
の3つが挙げていますが、最終的に商品に行き着くまでの道のりは
それぞれ違うと想像されます。
この3つの付加価値のうち、「顧客調査から生み出される可能性の高いもの」は
どれだと思われますか?
・・・考え中・・・(^^)
そうです!
「パソコンのテンキーになる」です!
この付加価値は、「消費者のパソコンや電卓の利用に関する現状把握、不満点の把握」
といった消費者調査から発見される確率が高いです。
もし消費者調査をする場合には
経理業務など「数字を扱うヘビーユーザー以外」がターゲットに想定され、
(ヘビーユーザーは「外付けテンキー」などを利用しているため)
・ヘビーユーザー以外の「外付けテンキー」の設置状況の把握
・「ノートパソコンの数字入力を面倒に感じる程度」
・「パソコンにも接続できて、テンキーになる電卓」のニーズ、購入想定価格などを
調査から把握します。
「デザイン向上」については、5,6年くらい前からでしょうか(?)、
日本のメーカーはデザインに非常に力を入れていますね。
(日産も、ゴーンさんがデザイナーをヘッドハントするなど、注力されていました。)
デザインに凝った電卓は、そういった企業方針からの発想で開発されたのかもしれません。
最後に「脳トレ」電卓ですが、
これは「消費者調査からではないタイプの、マーケット志向の商品」だといえます。
個人的にはこのタイプの商品開発が好き、と申しますかおもしろいです(^^)。
こういった商品を発想するには常に世の中の流れ(生活者の意識が何に注目しているか)
に敏感でいて、
その「世の中の流れ」 ×「自社商品・自社の強み」= 新商品
を頭の中でいつもシミュレーションしておくことです。
今回の場合の「世の中の流れ」は、「人々の脳の健康・老化に対する不安」ですね。
脳を鍛えるには「単純な計算の繰り返しが効く」という研究機関の研究結果なども
収集しつつ、自社の強みに結びつける発想にまで昇華させた
シャープさんの目のつけどころが素晴らしいです!(^_^)
御社のマーケティング調査に、ご興味のある方はお気軽にご相談ください(^_^)。
株式会社マーケティング イノベーション 担当:鈴木 規子
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ここまでお読みいただき、まことにありがとうございました!
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